特許開発から起業、迷ったり悩んだり・・・・でも走っていれば何処かに着くはず。
取扱説明書を作るという作業3
さあ、「取扱説明書を作るという作業3」です。 
1.では、PL法に則った、取説に書くべき内容について、そして、
  PL法に課せられた責任からも、取説が重要であるという事について。
2.では、製造費の一部である取説の内製化を試みるも、PL法だけではない
  様々な法律、規制、輸出条件が絡む上、アウトプットの方法でも
  悩ましい問題にぶつかっているという事まで。
以上が今までの経緯です。

そして、いよいよ3.では、具体的に何を優先して、自分は書いていくか
ということについてです。
私はテクニカル・ライターではありませんので、決して正解ではありませんよ。
しかし、一人で物を作っている事業をしているので、自己判断で
こうした作業をこなしていかなければいけません。  
法的にチェックしてくれる弁護士がいなくても、法律を探すことは出来るし、
こうした面倒くさいことは、やれば嫌でも勉強になります。 

備忘録として、どんなものを参考にしたかも、載せておこうと思います。 
何に気を付けなければいけないかですが・・・・・・・・・
PL法は勿論、以下の各種の国際規定、
JIS B 9700:2013 (ISO12100)
JIS Z 8051 (ISO/IEC Guide 51)
IEC82079-1
SEMI S13-0305
ISO10377
それと、各機関、省庁からのガイドラインや法令など
経産省の
「製品安全の知識」
「製品安全に関する流通事業者向けガイド」
「製品安全自主行動計画策定のためのガイドライン」
消費者庁の
「景品表示法」
「公正競争規約および同施行規則」
読んだり、解釈したりするだけで随分時間がかかりました。
私が決断する勇気を持つには、ベタにこういう方法しかありません。

消費者庁の「公正競争規約および同施行規則」は、細かく
製品によって分かれています。
私の作る製品がどれに分類されるかについては、電話で確認出来てます。
分類によっては、記載の必要が無いこともありますので、
皆さんも、先に確認しておいたほうが良いですよ。 
電気を使用するもの、家電とは大変そうです。  
家電メーカーさん、尊敬します。

一般社団法人 日本機械工業連合会が出してる
付属文書(特に取扱説明書)は、特に参考になりました。
ガイドラインが明確なのです。 例えばiso○○の基準を満たすために、
クリアしなければいけない項目は、○○であるということが具体的です。
これを自分の製品に置き換えて考えていけばいいのですから、
作成作業の洗い出しが、かなり楽になります。

そして、もう一つの問題、取扱説明書のユーザーへの提供方法です。
取扱説明書を作るという作業2でも書きましたが、
矛盾する提供方法をどう解決するかです。

「ISO/IEC Guide37:1995」では、製品の耐用年数期間中は、メーカーとして
取扱説明書を保管しておくべきだとしています。
だから、要件を簡単に満たす手段が、紙に印刷して製本されたマニュアル
にして、メーカーで持っているという方法だったのです。 
同ガイドラインでは、取扱説明書を製品の付属品として提供すべきと規定
しているので、同梱となるのでしょう。

後の2012年に発行された「ISO/IEC Guide37:2012」、「IEC82079-1」では、
一転して取扱説明書の製品添付を義務付けていません。 
それどころか、Webでの提供を積極活用すべきと明示されたのです。
もう、時代が変わったのです。 手元になくても、別に良いとお許しが出た
のです。 

つまりISOとしては無しでOKと私は判断しました。

では、PL(製造者責任)法ではどうなっているのでしょうか?
電子政府の総合窓口 製造物責任法
「取扱説明書は印刷物で同梱が望ましい」とか
具体的には書いてありませんからね・・・・・・・・困ったです。

製品安全に関する流通事業者向けガイド(平成25年7月)に
「取扱説明書は、製品に梱包されているため、消費者が購入を検討する
段階で安全性に関する情報を確認できないことがあります。 このため、
店頭に取扱説明書を準備する、・・・・・・・」となってますね。
梱包されている前提で説明されているようです。 これは同梱ね。

ジェトロ!輸出関係なら、ここに何か情報あるはずですよね。
「商品説明条例(日本語訳)」
「第 13B 条 価格に基本付属品が含まれていない場合、買い手は支払前に
通知されること 2012 年E.R.2 号 2012/08/02) 古いけど・・・・
ユーザー用の取扱説明書に付属品の内容がすべて記載されていることが
マストです。 提供方法は問われていませんね。 

よーし、勉強だ! ここに来て、最悪の決断をしまーす。
当初、紙とWEBの両方は嫌だと言っていましたが、輸出を予定しているタイプは
両方作ります。 illustratorで作ってPDFでアップロード。 
量産タイプは国内だけの販売予定なので、パッケージには最低限を表示する
ということにしましょう。 詳細な取扱説明は、WEB上へのQRコードを
パッケージの見えるところに入れておこうと思います。

方向性見えました。
まず、ダミーのパッケージや取説を作って、相談に回ってみようと思います。
ここまで来たら、行動あるのみ!

取扱説明書、舐めていました。
とにかく書いて、後で修正すれば良いやという、何時もの方法では解決できない
お題でした。 完ぺきではありませんが、このくらいインプットしてれば
書き始められそうです。 

「マニュアルのプロですから・・・・」あの会社の動画をご覧になりましたか?
弊社の製品はそんなに立派な技術では無いので、あそこまでは不要です。
そして、沢山ではなく、4つの製品についてだけすれば良いので、
何とかなるはずです。

取扱説明書の分かり易さは、予算に比例していると言われています。
だからと言って、弊社に求めないで欲しいとか言えません。
製品の一部なのですから、私に出来る全力であたるというだけです。 

「取扱説明書を作る作業」の括りでしたが、実は結果的には販路の決定も
したことになりました。 



そうなんです。 おそらくこの作業に時間を割いてきた本当の原因は
ここにあります。 なかなか販路を決めるというのは勇気が必要です。
混乱しないように法規制や、国際基準についてで論じてきましたが、
更に、製品の特性や保有している知財や市場での調査を参考に、
輸出ができるものを選択していました。 
輸出想定量と品目数にも検討すべきところがあります。
当然ですが、品目数が増えればコストがかかります。
ですから、小さな企業が挑戦できる製品は高額製品の方だけです。
採算が合うものだけしかやってはいけません。

製品ラインを増やしてきたのは、私の日本経済への見通しでした。
そこは外れていなかったと思いますが、楽器市場規模は修正が必要です。
幸い今の製品ラインがあるので、輸出するという方向性は変えずに行けそうです。
高級品、作っておいて良かったと思いました。 資本がかかるものは、
資金があるうちが勝負ですが、作るという決断も勇気が必要です。
 
こうした輸出に関することというのは、ある程度やってみてからじゃないと
わかりませんでした。  しかし、相談機関は割と簡単に勧めてきます。 
全体のコストが見えてきてからでないと、踏み切るべきではありません。 
相当体力が必要な分野です。  既に競争が始まっている分野なら、
市場をもう一度、見渡して下さい。 

小さな個人製造者の経験でしか見えないことがあります。
アドバイザーに大抵この経験はありません。 金融関係なんて特にです。  
ただ、恐ろしい事に善意で勧めて下さっているんですが、 
まったく論理的ではありません。
決断する時は自分自身でデータを集め、自分で考えることです。
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