特許開発から起業、迷ったり悩んだり・・・・でも走っていれば何処かに着くはず。
取扱説明書を作るという作業
取扱説明書、皆さんは隅から隅までしっかりご覧になりますか?
新製品のための取扱説明書を作っているのですが、
想像以上に苦戦しています。

「取扱説明書」については、自分のモノづくりのワークショップでも
その書き方については、説明したりしていました。
そうなんですよ。 解ったつもりでいました。
コレ、調べるとかなり奥くて きりがなくなってきました。

仕事内容で言うと、この基準を熟知して作れるようになったら
それだけで、会社作れるレベルです。 本当ならお金を出して、
専門家のチェックを受ける、もしくは会社が大きければ
社内に専用スタッフを置くくらいの仕事だということです。

そもそも取扱説明書とは何か・・・・・・
正しい使い方を分かり易く伝えるだけで良いのかと言うと
そうもいきません。 使用者の誤使用を防止して、
見落とされがちな製品の隠れた排除できないリスクを伝え、
事故を予防するものであるべきです。
そして、使用者と事業者の約束事を伝えるという、契約書的な
側面も持っている代物です。

では、取扱説明書がどんな内容で組み立てられているのでしょう。
「特定非営利活動法人 日本テクニカルデザイナーズ協会」
出しているガイドラインを参考にしてみましょう。

具体的にどんなことを書けば良いかというと
【取扱説明書に求められる必要項目の記載順序】
1. 表紙
2. 重要事項説明
3. 製品(商品)説明
4. リスクの洗い出しによる禁止行為の表記
5. 使用方法
6. お手入れ(定期点検などがある場合はそのことも記載)・保管方法 7. トラブルシューティング
8. 製品寿命
9. 保証規定
10. 仕様(試験方法・条件など)
11. 責任主体など
見れば、「そうそう、こんなの書いてあったわ」と思われたことでしょう。

次に、上記で最も重要なのはという」と、
4、の「危険の洗い出しによる、禁止行為」の表記です。
5、の「使用方法」じゃないのかと思われる方も多いと思いますが、
「電子レンジに、猫を入れてはいけません」以来、
こうした危険表示は保障問題に絡み、
誰がそんな使い方するのかと笑ってしまうものまで、書いておいた方が
良いことになっている現状があります。 

リスクアセスメントって言われているものですが、
危険を洗い出し、注意書きでの留意点をどうするか考えて
危険度を発生の頻度から分類して、分かり易く記号付きで書くって事です。 

以上が「特定非営利活動法人 日本テクニカルデザイナーズ協会」で、
ここでは更に、取扱説明書の検証すべき点や方法もまとめてありますので、
詳しく知りたい方は、そちらでご確認ください。

じゃあ何故こんなに取扱説明書に形式があって、専門的に作ることに
特化した会社や組織が存在するのかという事です。
皆さん、「製造物責任(PL)法」って聞いたことはありませんか。
ざっくり申し上げると製造物から消費者を守る法律があるんです。

民法709条【不法行為による損害賠償】故意又は過失によって
他人の権利または法律上保護される権利を侵害したものは、
これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
という民法があります。
PL法というのは、この条文の中での「過失」が、「欠陥」であるという
「無過失責任」になるというものです。

製造物責任(PL)法は、その適用範囲を「製造物」の
欠陥に起因する損害に限定しており(法3条)、
さらに「製造物」とは「製造又は加工された動産」(法2条1項)をいうもの
と定義しています。 ・・・・・・・・しかしです。 限定していると言いながら
結局は不動産以外全部じゃないかとなってくるのです。
 
つまり、物を作って何かあったら賠償責任があるよという事なのです。

私だって、「安全」については気を付けて作ってはいるんですよ。
当たり前じゃありませんか。 でも、意図しない事が起きてしまう総てを
補償出来るかと言われたら・・・・・
ですから、「取扱説明書」には、こんな風に使って下さいね。 
というところまで丁寧に、心を込めて書く必要があるんです。

仏作って魂入れず、じゃあ製品では無いんです。

ワークショップでは自分の作った製品と類したものの取扱説明書、
出来れば、大手のメーカーが作っているものを参考になさって下さいと
していました。  限られた時間内では、学ぶより真似た方が
良いと判断した内容です。

やはり、大手はここにも資本をかけられるので、
リスクについて法的に対応できるものを作っています。 

長くなりましたが、まとめると
物をつくったら、今回ご説明した製造物責任(PL)法からは逃げられない
ということです。 そして、取扱説明書で、安全に効果的に使ってもらえる
ように、製品同様にきちんと作る。 という事です。

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